2007年11月26日月曜日

「ドキドキした経験」:違う意味でのドキドキ

私は高いところが苦手でした。父の高所恐怖症を受け継いだのかもしれませんが、高層ビルやローラコースターには絶対近寄りませんでした。しかし、人生は不思議です。思いがけないときに、自分の中で何かが変わってしまいます。私の場合、十何年も高所恐怖症だったのですが、一つの出来事でほぼ治りました。それは、十四歳の夏でした。

その夏、私はセーリングのキャンプに行きました。毎日小さいボートに乗ってセーリングを練習していました。しかし、キャンプの最後の日、私とほかの子供達は本物の船に乗せてもらいました。船はとても大きく、私は海賊になった気分でした。みんなそのボートを一回操縦させてもらい、帆の位置を直したりして楽しみました。

問題は帰るときに起こりました。先生たちは、船のデッキにもう少しで着くため準備をしなくてはいけないと私たちに説明しました。一つしなくてはいけないことは帆を上げることでした。簡単に聞こえるかもしれませんが、高所恐怖症の人にとってとても大変なことです。まず、帆を上げるのには、帆柱を登らなくてはいけません。想像してください。あなたは、帆柱を登っています。しかし、足下は狭いだけではなく、船は動いていて風も強く吹いています。その上、あなたは怖いところが嫌いです。どんなに恐ろしいことか!

それだけではありません。登った後、帆を支えている柱からぶら下がっている紐に登らなくてはいけません。私は、この時点で心臓がバクバクして、死ぬと思いました。なぜなら、紐に登るだけではなく、その紐の上に立っていなければなかったからです。完全に綱渡り芸人の状態でした。それに、先生たちも下から、「落っこちれば死ぬ可能性があるぞ!」と叫んでいました。私はそれを聞いて、クラクラしましたけれど、命を大切にしていたので、精神を集中させました。紐に立ち、柱に寄り掛りながら、帆をクルクル巻き、もう一本の紐で、巻いた帆を柱に結び付けました。仕事を終了し、地上に戻った時、私は汗まみれでした。緊張をずっとこらえていたせいか、急にドキドキし、気絶するかと思いました。

この経験はとても怖かったですが、なぜかとても私自身すっきりした経験でもあります。何かを怖がることはとても辛いことです。怖くなると、人間は心配し、頭も体も動けなくなってしまいます。怖いとき、私はいつも自分の人生が逃げていくように感じます。この経験で高所恐怖症が治り、高層ビルからきれいな風景をながめたり、ローラーコースターを初めて乗れたりできて、人生をもっと味わえるようになりました。違う意味でドキドキできるようになりました。

2 件のコメント:

RoareeTheLion さんのコメント...

私の「ドキドキした経験」も高所恐怖症の話です。心から同情します。しかし、海の上の帆柱を登るはもうちょっと恐いと思います。それに、『先生たちも下から、「落っこちれば死ぬ可能性があるぞ!」と叫んでいました』はとても大変でしたね!

asifi さんのコメント...

私は高い所がとても大好きです。現実から逃げ出したーみたいに、自由になった気がして、とても好きです。でも、高い所から下を見ると、やっぱり手足から力が抜けちゃいますね。階段とかを下りていく時転びそうになったことがあります。